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尿失禁

尿失禁とは、尿の無意識あるいは不随意な漏れが衛生的あるいは社会的に問題となったもの
と定義されています。いいかえれば、「思ってもいないときに、勝手に尿がもれたりして困る」といったような状態です。
これらの原因は大きく2つに分けられます。

腹圧性尿失禁
くしゃみや笑い、体勢の変化などで腹圧が膀胱にかかったときに漏れてしまうものです。
これらは骨盤をささえる、あるいは尿道をしめる筋肉などが年齢や出産のために弱ってしまったためにおこると考えられています。40歳以上の女性の約8人に1人にみられるといわれています。
治療法としては、これらの筋肉を鍛える体操や、薬物療法(ウロミテキサンやスピロペントと女性ホルモン剤などの併用)などです。また程度に応じて外科的治療を必要とすることもあります。

切迫性尿失禁
トイレにはいってからもらしてしまったり、(間に合わない)夜中に頻回にトイレにいったり、といったような状態で、脳の命令系統がうまくいっていないときや、場合によっては膀胱炎・膀胱腫瘍などによる刺激などでおこることもあります。
治療法は主に薬剤療法で、抗コリン剤(バップフォー、ポラキス・膀胱を過敏に収縮させないようにします)や平滑筋弛緩剤(プラダロン・膀胱の壁の筋肉を伸びやすくして貯められる尿の量を増やします)などが使われます。

また最近、過活動性膀胱(overactive bladder:OAB)、という言葉が注目をあびてきました。
OABとは、尿漏れがあるにせよないにせよ、急におこる、抑えがたい尿意、という意味で広く使われるようになってきました。
これは、膀胱が正常な状態よりも過敏な働きをするためにおこるといわれています。(だいたい日本人女性の約1割前後にこの症状がみられるといわれています。)


いずれにせよ、非常に生活のうえでうっとおしい状態です。
お気軽にご相談いただき、場合によって専門医をご紹介させていただきます。